一次創作

あくのみかた?

 「おかえりなさい、あなた」今日もカリナは笑顔で夫を出迎えた。「ただいま」帰ってきたのは、顔に傷のある、美しくも恐ろしい雰囲気を纏った青年であった。 カリナの夫・アウロは舞台俳優である。演技力は申し分ないが、顔が怖い。綺…

妻の貫禄、夫の不安(※小学生)

光哉と皐月が小学校を卒業する頃のお話。光哉は皐月が大好きで、いつも「将来結婚してほしい」と思っている……というのは周知の事実だ。結婚してほしいがために、相応しい男になる努力を続け、何か失敗したらひどく落ち込むのも日常茶飯事だ。しかし、周囲か…

ジェイドとアザレアの何でもない夜

ジェイドは普段真面目を絵に描いたような男だが、妻アザレアに関しては何かとおかしくなる。例えば、アザレアが「ピンクの薔薇が好き」と言おうものならそれを大量に取り寄せるし、「子供の服を作りたい」と言おうものなら最新式のミシンを取り寄せる。仮にア…

転生夫婦譚 第6話 1998年

1998年。先に大人っぽくなっていく皐月と、思春期を迎えたことで焦りつつも皐月さえいれば幸せな光哉。□■□皐月が、オリンピックの記念硬貨を手に入れたって見せに来てくれた。最近は、こういう恋愛と関係ない話をしていると気が紛れる。というのも、自…

僕のことを好きになって

 真面目。堅物。いつも眉間に皺を寄せている。そう言われてきたジェイド・ラファティ侯爵だが、今となってはすっかり妻のアザレアに骨抜きにされている。あの侯爵が、と世間の人々は驚くが…元からアザレア以外に目をくれなかっただけなのでジェイ…

超健全ゲームのウラバナシ

夫婦が転生ではなく記憶をコピペされた場合のお話。□■□「うわ…キツいわ…」前世の記憶を取り戻した第一声は、それであった。ゲームの世界に転生して前世の知識で無双する、という展開がベタであることはさすがの私も知っている。まさか自分がそうなるとは…

蜂蜜酒は媚薬?偽薬?

「ジェイドさま、これはなんですか?」ワインボトルより少し小さいそのガラス瓶を手にして、アザレアは首を傾げる。中には淡い黄色の液体が入っているようだ。「酒だ…」そう答えるジェイドは、今日も難しい顔をしていた。「旦那様が仲介した商談がまとまった…

キャラクター紹介 光哉と皐月の家族

<家族>時任隆たかし光哉の父。年齢は光哉+32。細身で背が高い。穏やかな性格。達観したところがあり、時代劇や和菓子を好むなど「爺臭い」タイプのため、年齢よりも老けて見られがちである。特技は書道。段持ちのため、講師の資格を持っている。実は歴史…

転生夫婦譚 第5話  1997年

1997年。そろそろ思春期に突入。□■□新年がやってきた。年末にインフルエンザにかかった皐月はだいぶ元気になっていて、僕はほっとした。やっぱり…前世のトラウマがあるんだよね。皐月が寝込んでいるときに、3回も前世の夢を見た。アザレアが亡くなっ…

転生夫婦譚 SS-2

お題.com 「風景」にまつわるワード より"シーツの乱れ"  20歳、2006年頃目を覚ますと隣に彼がいる。斜向かいのお家の、彼の部屋だ。そうだ、昨日はみーくんのところに泊まったんだった…恥ずかしくなった私は、慌てて身に着けるものを探す。…

転生夫婦譚 SS-1

お題.com 「風景」にまつわるワード より"静かな夜"  中学3年生の夏いつも騒がしい妹が、今日は部活の合宿で留守。おかげで家が静かだ。『おやすみなさい』と両親に告げて二階へと上がれば、聞こえてくるのは虫の声だけ。私は自分の部屋のカーテン…

転生夫婦譚 第4話 1996年5月~12月

1996年5月~12月。□■□「皐月…結婚してくれてありがとう」「…うん」「今日からいっしょにねられるね」「うん、おやすみ、みーくん」皐月がおやすみのキスを頬にしてくれたので、びっくりして目を覚ましてしまった。やっぱり夢だったか…昨日が林間…